悠久バプテスマ

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MRI撮ってきた

 ブログのいい題材になるかと思われた料理だが、動画シリーズ化してしまった。iPhoneのカメラ性能は驚異のもので、Webカメラに比べて画質が良すぎる。すずきさんとの動画、ランダム駅を撮影する際に買ったマイクを用いれば、集音性も悪くない。動画を撮るということであれば俺もなんだかやる気が出てくるし、ふだん食ってるものより料理で作れるようなものの方が明らかに身体にとって(相対的に)良く、痩せなくてはならない俺にとっては少しでも料理をした方がいいので、料理はもう動画の方に寄せていくことになりそうである。

 なので、書いていくのは日常の与太か、買い物の話である。そう、俺は痩せなくてはならんのだ。先頃、医者から腹部エコー検査をすると言われて、おこなったところ、ビッチビチの脂肪肝であると言われた。細胞ひとつひとつに脂肪がたんまりついており、ほらご覧なさい、真っ白でしょう。臓器はふつう、黒く映るものなのです。それが、ふんだんに脂肪をまとっているから、超音波を跳ね返して白く映っているのですよ。このままでは死亡肝になり、死亡漢となってしまうでしょう。というようなことを、もう少しヤカラみたいな言い方で主治医に言われた。あと、死亡肝以降は俺が先生の心を推量したものである。というぐらいに俺の身体は瀬戸際にいる。そんで、膵臓がなんか見えなかったらしい。エコー検査だと脂肪に全反射されてしまって、うまく見れないかもしれないとは前から言われていて、案の定、膵臓が見えなかったということである。この場合、単に脂肪に隠れて見えないのかもしれないが、なんか石でも詰まってるとか悪くなってるとかいう可能性もあるのだという。MRI検査とかでちゃんと見た方がいいかもしれないねえ、とか主治医が言うので、やりましょう!と孫正義ばりに俺はやることにした。そしたら「めんどくさがらずに、行ってきてね」なんて紹介状みたいなんを書いてもらった。どうも、MRIとかCTとかの検査は、それを撮影する専門のクリニックみたいなんが主要な都市に点在していて、そこで撮ったデータを先生のところに送る、みたいなプロセスをとるらしい。費用は、30%負担の保険を適用の上で、造影というやつをやれば12,000円ほど、やらなければ8,000円ということであった。主治医の方は委任状に「任意」と記しており、俺の場合では不要という判断になったらしく、会計はおよそ8,900円ほどだった。うち600円ほどが、先生に結果を送信する費用らしく、わざわざ別会計で領収書も出してくれた。そしてMRIの画像は、何点あるのか知らんが、CDかDVDかのメディアに入れて送られるらしい。ということは、俺がそれを受け取って主治医に渡しにいくという手筈にすれば、家で中身をぶっこ抜いてから主治医に渡すということもできるようである。そんなコソコソっぽい手段をとらなくても、普通に、MRIを撮ったクリニックに申請して費用を払えば、個人用のコピーももらえるようである。途中でぶっこ抜いた方が、送料も浮くし、個人用のコピー用の費用もいらなくなるし、お得じゃね? と思いはしたけど、主治医には「送ってもらってね」と言われていたから、俺が妙な変奏をしたせいでプロセスを滞らせるかもしれないし、よくねえな、と思い、普通に送ってもらった。ま、俺が手渡ししたら、その手渡しした診療では主治医がそのMRI画像を吟味する時間もなくて結果を聞けないだろうとは想像できるところだし。さすがに主治医にCDだかDVDだかを焼いてもらうわけにはいかないだろうが、ま、最悪、クリニックで個人用に出してもらえばいいかと思っている。5,000円とか取られるかもしれんけど、そんぐらいの価値はあるんじゃないか。だって、絶対面白いだろ。腹部MRIの画像なんか。もし入手したら、配信で鑑賞会をやろうと思う。ブログにもバンバン載っけていきたい。医者とか医学生の読者とかがいたら、ぜひ診断してほしい。

 で、肝心のMRIの感想だが、たいへん驚いた。MRIってのは、なんか水ようかんみてえな洞穴に身体ごとインサートされて、情報的な輪切りにされて写真を取られまくる検査である。

 入って一番に思ったのは、MRIはふつうの体型の人用に設計されているということだ。「太ってるやつは入れないんじゃない?」とか、配信のチャットでからかわれたけども、お前、医療の現場が外れ値の人間のことを考慮しないでどうする、俺ごときで入れなかったら、往年の小錦はどうするんだよ、大丈夫に決まってるだろワハハ、と思っていた。しかし、けっこうキツかった。具体的には、俺は気をつけの姿勢でインサートされたわけだが、俺が太すぎるせいで、両腕の肘と手首の間ぐらいのところが、洞穴の壁にメチャクチャ押し付けられて、両手の指先が痺れてきたのである。インサートされる前に、左手におっぱいみたいな感触のゴム状のレバーを掴まされて、「気分が悪くなるとかありましたらこれを握ってください」とか言われていたんだけど、うまく握れるかな? っていうぐらいの痺れ方をした。しかしここで「腕が痺れるんですが」と訴えたところで、急にMRIの洞穴が拡がるわけでもなければ、俺が急に痩せるわけでもない。容積というのは非情なものに違いない。なので、我慢することにした。しかし、そういう不具合が、インサートされている途中に感じられ、視線の先には、謎の材質でできた半円状の天井、その真ん中に緑色の線が描かれているばかりである。なんだか急に不安になってきて、つっかえて出れなくなったらどうしよう、みたいな想像が急に頭をもたげてくる。息苦しくなる。アルゼンチンだったかチリだったかで、鉱山が崩壊したか何かで閉じ込められて酸欠で死ぬ労働者の話が連想されて、恐ろしくなった。これ、さらに閉所恐怖症みたいな素地があったら、狂乱するんじゃないかと思った。実際、主治医には、雑談みたいなノリとはいえ「閉所恐怖症とかないよね?」と訊かれていた。俺は別にそんな体験はないから「大丈夫です」とは答えたが、よく考えたら、そうであるかどうかを判断できるような閉所に俺は身を置いたことがあっただろうか? 実は、俺は閉所恐怖症で、このまま我慢できないんじゃないだろうか? という不安がいっぺんにやってきて、序盤、ちょっとヤバかった。実際、俺はおそらく不思議の国のアリス症候群という図体に似つかわない症状がある(と思われる。この記事に書いてある感覚に陥ることがたびたびある)し、むずむず足症候群もあるし、おそらく一般的な人に比べて身じろぎできないことへの耐性が弱いし、という傍証がばーっと去来したが、すぐにエロいことをたくさん考えることによって回避した。さすがである。新堂エル先生の漫画のことを考えると勇気がわいてくる。そうこうしているうちに、俺は医師の「では息を吸ってくださーい」「はい止めてくださーい」という要請にもしっかりと応えることができたのである。エロは偉大である。あるいは、俺は単純である。

 途中、一回洞穴から出されて、終わったかと思いきや、膵臓が見えやすくなるという理由で謎の液体をコップ一杯飲まされてまたインサートされるという憂き目にも遭ったが、1時間弱ほどで検査は終わり、先生のところには来週頭にメディアが送付されるということで、無事に終わったのである。俺は今、回転寿司とラーメンとカレーとお菓子とジュースを断つという、糖質制限に向けての序章に取り組んでいるのだが、つけ麺はラーメンではないという理由で、帰りに自分へのご褒美と称してつけ麺を食った。……いや、さすがにそれは元も子もなくなってしまう言い訳だとは分かっている。「もういいやー」となってしまわない限りは、この序章はまだ有効であると俺は信じている。

 というわけで、MRIはなかなか新鮮な体験ではあった。べらぼうに値が張らない限りは、またクリニックを訪問して個人用の写真を持ち帰りたいと思っているので、そうできたら、配信でも、もちろんこのブログでも、公開したいと思うので、楽しみにしていただきたい(?)。

 最近、自炊するに伴ったり、それとは関係なくだったりで、買い物もいろいろしたので、次回はそれについてまた書こうかな。