悠久バプテスマ

141文字以上の文を140文字以下の文にしたくない時に使うブログ

物語のプロットを作ってくれるAIが欲しい

 俺は文章を書くことが好きでもあり、嫌いでもある。ブログでそこそこ長い記事をちょいちょい書いていることからも分かると思うが、好きではある。割とサラサラ書ける。それに、最近はもうやめたが、小説をちょっと読んでいた頃には作家志望だったこともある。でも、そういう、いわゆる小説のような文章を書くのはとても苦手というか、苦痛であることが多かった。

 文章を書くというのは、その目的によって、けっこう色んな能力の組み合わせであると思う。放談の文章化はいいけど小説はダメ、というのは、小気味よく口語的に言葉を組み合わせる作業はできても、話として面白い展開を考えたり題材を考えたり、人間の基本的な機能や心理などをトレースし人物を作り出していい感じにコミュニケーションさせたり、それを小気味よくパッチワークしたり、演出を考えたりするようなことは、別の職能というか、違う筋肉を使う運動だと思う。んで、後者は得意ではない。物語を書くのには向いてないと思う。ここを取り違えて、まあ筋のとおった文章を書くことはできるんだから、小説もいけるいける、と思っていたので、割と時間を無駄にした感じはある。

 向いていないことをするのは不合理なので、分業すればいいのだと思う。漫画の世界だって、原作と作画が分かれている作品はままある。小説だってそうしたらいいわけだ。俺がそこまでして小説を書く理由は薄いが、もし、俺が実際に書かなくても、俺がちょろっと考えたコンセプトが勝手に肉付けされて、それを小説にしてくれて、世に出した状態になるボタンがあるなら、押すと思う。なんか、こう、物語を生み出すっていうのは、いろんな面白い物語を見てきたから、やってみたいって気持ち自体はある。でも俺がそれに取り組んでコストを払っても、書くのが下手だからコストの変換効率が悪く、そんな効率の悪い事業に支払えるコストはあまり高くないというだけのことだ。コストを無視できるんなら、やってみたい。

 ところで、今は放談的に文章を書くだけで、小説のようなものを書くことができる時代になっている可能性がある。小説をAIに書かせるのだという。そんな噂を聞いて、ちょろっとググってみたが、どうもクローズドプロジェクトばかりで、簡単に入手できるわけではないらしい。金脈ありそうだし、そらそうだと思う。でも、そういうのがあったら、話の筋、それもかなり細かく、登場人物とか、そいつが何してどうなって、っていうレベルの細かさで、おもしろいプロットを生成してくれたら、俺はそれを小気味よく書くだけで小説が書けるやん。漫画でいうところの、原作をやってもらって、俺は作画だけやる。ちょうどいい。しかも権利的に面倒くさくない。最高やん。俺の成果にできる。プロットは何回でも作れるだろうから、俺がおもしろいと思ったものだけ手がける。ダイスロールで能力が決まるMMORPGのキャラエディットで、めっちゃ作り直しまくるみたいな。プロットに関して俺は苦手なんだから、そこについての俺の創作性はそんぐらいでいいわ。めっちゃちょうどいいやん。しかも、そこはAIが一番得意そうだ。インプットをたくさんの「小説本文」にして学習させない限り、あらかじめたくさんの物語をいい感じに分解してやる必要があり、たとえば既存の作品を「キャラクター」とか「展開」とかに類型化して、「純文学」「異世界」「探偵」「お嬢様」「超展開」みたいなタグを振るとか、そもそもタグを作るとかの人間の工夫が必要になるし、そのやりかた次第で出てくる物語にバイアスが生まれそうだが、とにかくそういうAIがあればめっちゃ俺ちょうどいい。欲しい。でも金脈だからクローズド。これまでに、たとえば大塚英志さんが「物語の体操」で言ってたような、カードになんか書いてシャッフルして並べてヒントにする、みたいな方法とかあったし、俺も試したことがあるんだけど、ホンマにヒントで、めっちゃ肉付けせなあかんから、俺の物語能力では、助けと呼べるほどの助けにならんかったんよね。飢餓状態なのに米粒ひとつもらったぐらい。だからもっと介護してもらわんと戦えない。小説の世界で原作と執筆が分かれてる例ってほとんど見かけないのは、原作作れれば、執筆もやりおおせるぐらいの力はあるというか、物語はすげー浮かぶけど文章が下手でしょうがないという人が、漫画のそれに比べるとめっちゃ少ないということもあると思う。時間がなくて書けないから原作だけやって人に投げる、とかいうケースもあるだろうけど。

 でも、そんなツールが出現して俺が手に入れられるということは、他の人も手に入れられるということであって、その人らと戦いになっても、俺の普通の文章力がその人らに勝てるとあんまり思わない。だから、俺だけがそのツールを手に入れなくてはならん。ということは、俺が作って秘密に運用するしかないわけだ。でも、そんなもん作る技術はない。じゃあ無理やんけ。せやな。