悠久バプテスマ

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グノーシアとかいう、この2年でやった中で最高傑作かもしれんゲーム

 思うんだけどゲームの感想書くのって遺言に近い。プレイ直後の感動は時間の流れとともに逓減していくから、この波の高さをとにかく記録しておきたいという気持ちだ。死ぬことが分かっている者の断末魔のようなものかもしれない。とかいうヤケにネガティブな言い草から始まるが、俺、この「グノーシア」をクリアしてからもうけっこう時間が経っちゃってるんだよな。だから直後に比べると、ちょっと死にかけてる。重い病気で入院中に書いてるみたいな。でもおもしろかったですよ。

 サムネイルはSQなんだな。この赤髪の女の名前です。まあ確かにこいつはなかなか重要キャラだ。

 人狼っていう有名なテーブルトークゲームがありますが、あれの一人プレイアレンジみたいなゲームです。人狼っていうのは、まあ少ないと5人、多いと20人ぐらいのプレイヤーがいて、そのうちの何人かが「人狼」という役割を割り振られて、そいつら以外は「村人」で、どっちかがどっちかを全員倒せば勝ちみたいな感じですね。「村人」には「人狼」が誰か分かんないんで、それっぽいやつを1日1回処刑するんだけど、「人狼」も「村人」を1日1回食べて退場させられる。これだと村人が運ゲーかつクソ不利なんで、村人の中にも「占い師」とか「霊媒師」とか「狩人」とかいろいろ役職があったりして、それを駆使して「人狼」を見つけ出すんだけど、その役職は自称でしかないんで、人狼がニセ役職を騙ったりして俺が本物だよみたいなことをかましていく感じですね。

 めっちゃ中世ヨーロッパっぽいファンタジーRPGみたいな世界観なんだけど、このグノーシアはSFの宇宙船の中が舞台で、世界観もそういうふうに置き換えられている。村人に潜伏して村人を襲う「人狼」は、とにかく人間を根絶しようとする変異体で表題でもある「グノーシア」という存在になっていて、プレイヤーが人狼かどうかを調べられる「占い師」は「エンジニア」、1日1回の村人による処刑は「コールドスリープ(して無力化)」、処刑した人間が人狼だったか分かる「霊媒師」は、コールドスリープした人間を調べられる「ドクター」、みたいな感じで。割と無理がある感じがちょこっとするが、ゲームのストーリーを追ってる分にはそれほど違和感はない。逆に言うと人狼と違う点がほとんどない(プレイヤーの合意があれば1人固定じゃなく0人~複数人処刑可能であるとか、違う点もある)ので、人狼を知っていればルールはスッと入ってくる。詳しいヘルプがあるので、人狼わからん人でもまあ理解できるんじゃないかな? って感じ。

 こんなもん、議論の内容とか矛盾とかを突いてやるゲームなんだから1人でできるわけないと思うんだけど、1人用にするにあたってどうなってるかっていうと、まず能力値がある。「ロジック」とか「かわいげ」とか「直感」とか。「ロジック」が高いと、正しいことを言った時に、他のプレイヤー(CPU)に言ってることが浸透しやすい。「かわいげ」が高いと、なんか処刑されにくい。「直感」に至っては、誰かが嘘をしゃべってるとき、たまにブワァ~ってなって嘘だと分かる。千原ジュニアかよ。なかなか無茶苦茶ですが、これを何回もやってレベル上げて能力値を上げて、CPUを扇動して自分の意向でなるべく人を動かして、自分の陣営を勝たせるって感じのゲーム性になってるんですね。だから元の人狼とは相当違う。「直感」はCPUにもあるので、直感高いCPUが生き残ってたら、みんなに一言ずつ言わせるコマンド「人間だと言え」を使って、他のCPUの「直感」による嘘見抜き待ちとかする感じ。嘘を見抜いたCPUは、やけに嘘つきを処刑する方向の発言をするからね。さっきまでの態度から急変したりして、「あ、こいつ見抜いたな」って分かったりする。逆にグノーシア側でやってる場合は「人間だと言え」を割り込んで阻止して、その阻止したことによるヘイトをなんとか能力値とコマンドでごまかしたりしてやり過ごすとか。なかなかおもしろい。

 ゲームの進め方としては、CPUは全員固有のキャラで、パーソナリティを持ってるんですね。サムネになってる「SQ」とか、直感が鋭い「コメット」とか、論理がすごいけどなんかみんなから嫌われててすぐ処刑される「ラキオ」とか、全能力やたら高い「由里子」とか。こいつら、なんでこの宇宙船乗ってんの? とかがまったくよく分からない。その辺が、キャラごとに「謎」として何個か設定されていて、特定の条件で勝利したり敗北したりすると、それがアンロックされていく。それを集めまくったら、いつもと違う感じでゲームスタートしたりする、みたいな感じ。これがなかなか謎が謎を呼ぶ感じでいいんですよね。え!?なにそれ!?みたいな終わり方したりする。んでトゥルーエンドが……なかなかよかったですよ。まどマギっぽさを感じました。

 あと音楽がやたらいい。

 なんていうんかな、シューゲイザー?っぽいハードコアな音楽で、これBGMか?って思うような音圧でジャギジャギ音が鳴ってるが、奇妙な感じでよい。うーん、これ4人ぐらいで作ったのか。憧れるね~。

 現時点では今年イチ、去年含めたらファイアーエムブレム風花雪月と悩むが最高峰の楽しさでしたね。いやーよかった。