「トライアングルストラテジー」の全ENDを見た(2行目からネタバレ)
2022年3月4日に発売されたスクウェア・エニックスのSRPG「トライアングルストラテジー」の3ルート+真ルートを見ました。所要時間はおよそ100時間ちょっと。この次の段落からネタバレがある。
あまり使わなかった男性陣の挿話、ほかに、15話での分岐でロランルート(王都に留まる)は見ていない。つまり、15話ロランルートで仲間になるらしいコーデリア、およびその挿話も見ていない。他はたぶん全部見たと思う。
全体としては、大学の単位取得でよくある評点の基準、すなわち90点以上が優、80点以上が良、70点以上が可、それ未満は不可とするようなところに当てはめると、60点ぐらいの感触。良い点は全体的なストーリーの流れと、それに対してキャラクターの動きおよび心情の描写の一部。悪い点は、細かなストーリーの運びと、キャラクターの動きおよび心情の描写の一部、それとUIとスキップ機能。
ストーリー・キャラの良い点。
- 抑圧されたフレデリカの種族に対する気持ちから来るムーブはとてもよい
- 行動原理・選択は「ローゼル族の解放」ということで一貫していて、ポジションに基づくものでしかなく分かりやすい
- 人間らしい
- フェミさんこの後の一文は読まないで。優しく女性らしい美しい感情
- 解決策は自発的に出さないが、とにかく絶対にこの道を行くんだという狂気的なところがいい
- ユニットキャラとして超強い
- ベネディクトが概ねロランを切るという合理性がよい
- 有能でロランの兄で王家の指輪も持ってるセレノアと対比して、あの体たらくのグリンブルクの理想論全ツッパ第二王子なんぞを擁立せんでいいという発想は合理的
- ユニットとしてもロランあんま強くないし
- 「行きがけの駄賃」はいいが、範囲技が直線的すぎて狙えん
- さらなるロランの悪口は後述
- 絶望的な状況からの逆転劇としては骨太
- もう滅亡することが摂理だよ、という状況にドンドン転落していって、これ以上あるの?っていうぐらいまで中盤までいく
- それを引っくり返していく最後の数話は気持ちよい
- 味方キャラ→敵キャラの攻撃とか、距離接近で、会話イベントがたくさん設定されているのが良い
- アブローラvsグスタドルフ、フレデリカvsエリカ・タラースなどの王道いいね
- ミロvsエリカ、ライラvsデシマルなども良い
- 「顔も心も醜いと生きるの大変そうね」
- 酒場のおばちゃんでしかないはずのホスハバラが、けっこう多くのボスキャラと絡む
- 絶対「誰やこいつ」って思いながら喋ってるやろ
ストーリー・キャラの悪い点。
- 途中で分岐があるが、共通ルートへの合流が強引
- 13話、グリンブルクを奪還するところ、貯水湖を決壊させて王都をボロボロにするルートと、その他の穏便に奪還するルートで、同じように王都が崩壊してるのは解せない
- 何のために少数精鋭で突入したんだ
- セレノアが七聖人として取り立てられるのが早すぎる
- 女神像の岩塩
- 女神像を爆弾で爆破したら中から岩塩が!?
- なんで岩塩無事やねん
- アイスの棒じゃねえんだぞ
- 根本の所に刻んであるメッセージは無事
- 女神像を爆弾で爆破したら中から岩塩が!?
- エスフロストの街の用水路みたいなところに溶けた鉄が流れてる
- 鉄の融点は1500℃ですよ
- しかも雪降ってるのに固まってないから、もっと高温だろう
- 酔ってちょっと足を踏みはずしたらなくなっちゃう
- パトリアトがウォルホートまで来てシモンおよびセレノアを暗殺しようとしたところが解せない
- そう考えるのは分かるけど、直接殴り込んでくるようなやつか?
- 他の点ではほぼ有能だっただけに残念
- 有能なのにやっぱあのムーブだけ謎すぎるよ
- 15話の天秤、ロランがハイサンドに傾倒してるのヤバすぎる
- ハイサンドの教えに従えばみんなが幸福になるとか、どんな判断だ
- しかも熟考の末の結論
- よくあんな大声で口上言えたな
- そんなんだからベネルートで炊き出し兄さんになるんだぞ
- 「どうだ、友よ。倒した数を競ってみないか?」
- 声の大きさだけは王の器
- ハイサンドの教えに従えばみんなが幸福になるとか、どんな判断だ
- アブローラがコーデリアにかしずくところも違和感
- ロランが仇を許せるのか許せないのかが不安定
- メチャメチャ激情的に許さないことをがなり立ててることもあれば、仇と一緒に戦線にいることもある
- 真ルートEDなんて、ロランの玉座の超近いところにアブローラいたぞ
- いろんな敵をちゃんと縛ってないから逃げられて困るパターンが多い
- ガバい
- それが後に重大な結果をもたらしたりしてる
- この戦乱の世にあって、当然の行動として認識してないのが謎
- ベネディクトルートのグスタドルフ、物分かりがよすぎる
- セレノア&ベネディクトの塩の使い方を聞いて、割と賛同しちゃって、主権をグランブルクに渡しちゃってる
- 邪魔なやつは有能でも潰すような野心家が、そんなムーブするか?
- 「私以外の者に必要ない自由」みたいなことも言ってたで
- 13話、グリンブルクを奪還するところ、貯水湖を決壊させて王都をボロボロにするルートと、その他の穏便に奪還するルートで、同じように王都が崩壊してるのは解せない
- 加入するキャラの一部が謎
- 真ルート
- ハイサンド首都戦で、ウォルホート領のローゼル族の村の有志の軍が強すぎる
- フレちゃんが塩湖で包囲されそうになってピンチになった時、北側から攻めてきてチャンスを作った
- ウォルホート領のローゼル族の有志、何人おんねん
- おそらく一番強い国家であるハイサンドに攻め入って守備隊を手こずらせるぐらいの規模だったの?
- あとノゼリア商会のクラルスも肩入れしすぎ
- 野心があるのは見え見えだから、七聖人の座をほのめかされてハイサンドの手先になるのはまだ分かる
- 成功率が低そうなウォルホートの作戦に乗って、ハイサンドの門番をぶっ殺すのはやり過ぎ
- 案の定、真ルートだとハイサンドに拷問までされてる
- 結局、天秤ではなく、セレノアが考え出した策によって行動するのが真ルートっていうのが何だかなぁ
- 天秤とは何だったのか
- それで物事を決めてたウォルホート家とは何だったのか
- 民主主義の限界を描いちゃってる
- ハイサンド首都戦で、ウォルホート領のローゼル族の村の有志の軍が強すぎる
UI、スキップ機能については、箇条書きにせず一点だけ書く。スキップ機能。単に分岐のところまで飛ばしたいだけなのに、それだけで数時間かかるのがしんどい。時間がかかるのは主に戦闘が挟まってるからなのだが、全ユニットは上限レベルが50である上に、2周目以降は早々から敵が全員レベル50になっているため、あんまり楽できない。難易度をVery Easyにしても、敵の殲滅が勝利条件だと、とても時間がかかる。逃げ回る敵もいるから。ノベルパートのスキップも、パートごとにスキップしないといけないので、次の話にいくまでに3~5回ぐらいスキップ選択しないといけない。しかも毎回10秒弱ぐらいのロードが入る。本当はコーデリアを仲間にしてから真ルートに行きたかったが、断念したのはこれが原因だ。ひたすら+ボタンを押して「はい」を選ぶ作業は、虚無すぎて、酒を飲まずにはやってられなかった。
難易度選択させるゲーム、そもそもやだわ~。
という感じで、粗が目立ったという印象だった。
もっと重厚で精緻な思惑が交差するストーリーだったらなお良かったです。